「うちの教室の月謝、他のところと比べてどうなんだろう？」「子供たちが一番通いやすい時間帯っていつなのかな？」
子供向けの教室を運営されている皆さまにとって、料金設定やスケジュール決めは常に重要な課題ですよね。
感覚だけでなく、客観的なデータも参考にしたい、と考えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、子供の習い事にかける費用や人気の曜日・時間帯に関する信頼できる調査データを分かりやすくご紹介し、そこから読み取れる教室運営のヒントを分析します。
データに基づいた戦略で、あなたの教室運営をさらにパワーアップさせましょう！

1. 子供の習い事にいくら払ってる？【費用編】

まず、保護者が子供の習い事にどのくらいの費用をかけているのか、公的な調査データなどを見てみましょう。
価格設定の重要な参考情報になります。

学習費全体と習い事費用の位置づけ

文部科学省が実施している「子供の学習費調査」（令和3年度）によると、学校以外での学習や活動にかかる年間費用は以下のようになっています。

出典：文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」

小学生では塾以外の習い事への支出が比較的高く、中学生になると塾への支出が増え、その他の習い事への支出は減少する傾向が見られます。

子供一人あたりの平均的な月謝

様々な調査がありますが、例えば株式会社バンダイが実施した調査（2023年）では、小中学生の子供に習い事をさせている親の約6割が「10,000円未満」の月謝を支払っているという結果も出ています。
また、子供一人あたりの習い事の平均数は約2個というデータもよく見られます。

（参考情報: バンダイこどもアンケート

これらのデータはあくまで平均や一例ですが、保護者が子供一人あたりにかける習い事費用には、ある程度の予算感があることを示唆しています。
複数の習い事を掛け持ちしているケースも多いため、家計全体のバランスの中で、あなたの教室の月謝がどのように捉えられるかを考慮することが大切です。

2. 子供が集まりやすいのはいつ？【人気の曜日・時間帯編】

子供向けの教室では、学校や他の活動との兼ね合いがスケジュールの鍵を握ります。
年齢層によって生活リズムも異なるため、ターゲットとする子供たちの状況に合わせた時間設定が求められます。

年齢別 人気の曜日・時間帯

学研教育総合研究所の調査（2023年）などを参考に、幼児・小学生の傾向を見てみましょう。

出典：学研教育総合研究所「小学生白書」「幼児白書」Web版

これらのデータから、子供の年齢が上がるにつれて活動時間が遅くなる傾向や、平日の需要が高いことがわかります。
ただし、これも一般的な傾向であり、共働き家庭の増加による学童保育後の時間帯のニーズや、地域ごとの学校の下校時間、塾・他の習い事の人気などによって状況は異なります。

3. データから読み解く教室運営のヒント

これらの費用や時間帯に関するデータは、子供向け教室の運営戦略を立てる上で、様々なヒントを与えてくれます。

データに基づいた価格戦略

一般的な費用感を踏まえ、自教室のポジショニングを明確にしましょう。
例えば、相場よりやや高めの設定にする場合は、「質の高い教材」「個別指導に近い丁寧さ」「専門性の高い講師」といった付加価値を前面に出す必要があります。
逆に、相場より抑える場合は、「始めやすさ」「続けやすさ」をアピールポイントにできます。入会金や教材費、発表会費などを含めた年間トータルコストを分かりやすく提示することも、保護者の安心感につながります。

ターゲットに合わせたスケジュール調整

幼児向けクラスは午前中や早い午後、小学生向けクラスは学齢に合わせて15時～18時台を中心に設定するのが基本となりそうです。
しかし、データ上は需要が少ないとされる時間帯でも、地域のニーズ（例：特定の幼稚園の降園時間、共働き家庭向けの遅い時間帯）があれば、そこを狙う戦略も有効です。
オンラインレッスンを導入すれば、時間や曜日の選択肢をさらに広げられます。

集客メッセージへの活用

データから読み取れる保護者のニーズや予算感を踏まえ、共感を呼ぶメッセージを発信しましょう。
「月謝〇〇円から。家計に優しく続けやすい」「人気の〇曜日のクラス、まだ空きがあります！」「下校時間に合わせた〇時スタート」など、具体的な情報を盛り込むことで、ターゲット層の関心を引きつけやすくなります。

継続的なデータ収集と分析

一般的なデータだけでなく、自教室の生徒さんのデータ（入会経路、継続率、満足度など）や、体験レッスン参加者へのアンケート結果などを収集・分析することも非常に重要です。
「どの時間帯のクラスが一番人気か」「どの価格帯のコースが選ばれやすいか」「生徒さんや保護者が何に満足/不満を感じているか」などを把握し、データに基づいた改善を継続的に行うことが、教室の成長に繋がります。